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「姉ちゃんこんなんで飛ぶと思ってんの?」
「わかんない。でも、このままだと可愛そうじゃない。」
例えば足の折れた犬、巣から落ちた雛。姉の周囲にはそういうものがよく集まる。
家に帰れなくなった生き物達は皆、やたらめったら姉に頼るのだ。


そしてげに慈悲深き姉はそういうものを片っ端らから助ける。その昔、いわゆる反抗期
にかかった僕は姉を「偽善者」とか、よく分からない理屈と共に罵ったこともあった。
でも姉は「過程はともかく、結果さ、助かってるんならいいじゃない」と笑った。


でも、僕は知ってる。というか、最近知った。姉は偽善者ですらない。
「酷いと思わない、翼が両方もがれてるなんてさ。」
「さあ…本人的には、別にいらなかったのかもしれないよ。」
「そんなわけないよ。空を飛べるってすごいことだもの。」


僕は白い大きな翼に目を落とした。本体についていないそれは、なんだか滑稽だ。
「素人がさ、そんなん縫い付けたって、無駄だって。」
「でもさ、病院に連れていったって、きっとくっつける努力もしてもらえないよ。」
「そいつきっとそんな努力求めてない。」
針を動かす姉の手が止まる。


「翼があるものにとってはさ、きっと翼をもがれるのって、私達が足をもがれるみたいな
モノなんだと思うの」
「……」
「もし、どちらにしても死ぬのなら、最後に歩きたいって思わない?それといっしょでさ、最後に飛びたいって思うんじゃないかな。」


「天使は天にに帰りたいって思うはずだもの。」


例えば足の折れた犬、巣から落ちた雛。姉の周囲にはそういうものがよく集まる。
家に帰れなくなった生き物達は皆、やたらめったら姉に頼るのだ。
だってそこに居るのは姉だから。


姉が慈悲深く助けた鳥達の羽が、目の前に居る天使とやらに縫い付けられていく。
ポケットには携帯電話がある。電話をかけるのは容易だけど、まあ。
「奇跡、起こるかもしれないじゃない。」


そういう姉の笑顔は嫌いじゃないし、姉の彼氏は金髪で外人みたいな顔してるし、あらゆる女性に平等に愛を振りまいていたし、
実際奇跡が起こる可能性、無くもないか。と、すぐに出来るであろう血溜まりの処理方法に思いをはせた。
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2010.07.14 Wed l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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